UbuntuなどのLinux環境へ、WordPressを手動でインストールする手順を解説します。Webサーバーやデータベースの仕組みを学びたい人、複数の検証環境を自分で管理したい人向けです。
画面操作だけで手軽にテスト環境を作りたい場合は、先に「LocalでWordPressローカル環境を作る方法」をご覧ください。
この記事の前提
- UbuntuなどのLinux環境へSSH接続できる
- ApacheまたはNginx、PHP、MySQLまたはMariaDBが設定済み
- 作業例の公開ディレクトリは
/var/www/html/wordpress - 作業例のURLは
http://192.168.1.100/wordpress/
パス、Webサーバーの実行ユーザー、URLは環境によって異なります。公開サーバーで作業する場合は、HTTPS、ファイアウォール、バックアップも先に準備してください。
動作要件を確認する
WordPress公式は、PHP 8.3以降、MySQL 8.0以降またはMariaDB 10.11以降、HTTPS対応を推奨しています。導入前に現在の環境を確認します。
php -v
mysql --version
apache2 -v
Nginxを使用している場合は、最後の代わりに nginx -v を実行します。不足するPHP拡張機能やWebサーバー設定は構成によって異なるため、OSやサーバーの公式資料に従って準備してください。
1. WordPress用データベースを作る
データベース管理者としてMySQLまたはMariaDBへログインします。
sudo mysql
管理者パスワードを使う構成では mysql -u root -p を使用します。ログイン後、WordPress専用のデータベースとユーザーを作ります。
CREATE DATABASE wordpress DEFAULT CHARACTER SET utf8mb4 COLLATE utf8mb4_unicode_ci;
CREATE USER 'wp_user'@'localhost' IDENTIFIED BY '十分に長い固有のパスワード';
GRANT ALL PRIVILEGES ON wordpress.* TO 'wp_user'@'localhost';
FLUSH PRIVILEGES;
EXIT;
例文のパスワードをそのまま使わず、推測されにくい固有の文字列へ置き換えてください。WordPressごとにデータベースとユーザーを分けると、問題発生時の影響を限定できます。
2. WordPressをダウンロードする
一時ディレクトリで公式パッケージを取得して展開します。
cd /tmp
curl -O https://wordpress.org/latest.tar.gz
tar -xzf latest.tar.gz
既存の /var/www/html/wordpress にデータがないことを確認してから配置します。既存サイトへ上書きしないでください。
sudo mv /tmp/wordpress /var/www/html/wordpress
不要になった圧縮ファイルだけを削除します。
rm /tmp/latest.tar.gz
3. 所有者と権限を設定する
次は、SSHで作業するユーザーが ubuntu、Webサーバーのグループが www-data の例です。実際のユーザー名に置き換えます。
sudo chown -R ubuntu:www-data /var/www/html/wordpress
sudo find /var/www/html/wordpress -type d -exec chmod 755 {} \;
sudo find /var/www/html/wordpress -type f -exec chmod 644 {} \;
エラーを避けるために全体を 777 にするのは危険です。更新やアップロードで書き込みエラーが出る場合も、サイト全体ではなく必要な場所と所有関係を確認してください。
4. ブラウザーから初期設定する
http://192.168.1.100/wordpress/のように、配置したURLを開きます。- 言語を選び、「さあ、始めましょう!」を押します。
- データベース名に
wordpress、ユーザー名にwp_user、作成したパスワードを入力します。 - データベースのホスト名は、同じサーバーなら通常
localhostです。 - 接続できたらインストールを実行し、サイト名と管理者情報を登録します。
管理者名に「admin」など推測しやすい名前を使わず、データベース用とは別の強いパスワードを設定します。通知を受け取れるメールアドレスも登録してください。
5. インストール後に確認する
- 管理画面の「更新」でWordPress本体、テーマ、プラグインを最新にする
- 使用しないテーマとプラグインを削除する
- 「設定 → パーマリンク」でURL形式を決める
- 公開環境ではHTTPSを有効にする
- ファイルとデータベースのバックアップ方法を準備する
よくあるエラー
データベース接続確立エラー
データベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名を確認します。MySQLまたはMariaDBが起動しているか、作成したユーザーが対象データベースへ接続できるかも確認してください。
wp-config.phpを作成できない
画面に表示された設定内容を使い、wp-config.php を手動作成できます。安易にサイト全体の権限を緩めず、対象ディレクトリの所有者と権限を見直します。
ページが404になる
Webサーバーのドキュメントルート、WordPressを配置したパス、URLを確認します。パーマリンク変更後だけ404になる場合は、Apacheのmod_rewriteやNginxのルーティング設定を確認してください。
まとめ
手動インストールでは、WordPress本体の配置だけでなく、専用データベース、適切な所有者と権限、HTTPS、更新、バックアップまでが一連の作業です。学習目的なら外部公開しないローカル環境から始め、運用の手間を減らしたい場合はLocalやレンタルサーバーの自動インストール機能を利用しましょう。
